「白井晟一 精神と空間」展カタログの誤植
 「白井晟一 精神と空間」展のカタログ(青幻舎刊)の「原爆堂について 白井晟一」で原文に忠実な筈の転載にかなりの誤植が分かりました。以下の通りです。

曠野に立つ→曠野にたつ(2行目)
聯想からであろう。だが→聯想からであろう、だが(3行目)
大きな→大きい(7行目)
定義→定着(7行目)
共存希待→共存期待(8行目)
求心的な→求心的に(13行目)
原理的な→原理的で(14行目)

国語的な正誤から見れば必ずしも間違いでないかどうかではなく、原著者の意志、意想は最大限尊重されなければなりません。国語的な正誤は歴史的に変化するものですが、原著者がその表現で伝えようとしていることは動かし難いことです。推敲を重ねた文章であればなおさらのことです。


14:24 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
「白井晟一展」京都工芸繊維大学へ
 群馬県立近大美術館、パナソニック汐留ミュージアムで開催された「白井晟一展・精神と空間」が京都工芸繊維大学に巡回します。白井晟一展が歴史の大きな節目のさなかで開かれていることに、不思議な巡り合わせを感ぜざるをえません。
 白井晟一は戦前京都大学に隣接していた京都工芸繊維大学の前身、京都高等工芸学校を昭和3年に卒業しているので、母校での初めての展覧会ということになります。
 川添登氏によると白井晟一は学生時代「エラン・ヴィタール」という劇団に所属していたそうですが、昨年工芸繊維大学で展覧会の開かれた本野清吾はその劇団の指導もしていました。本野展ではかれがバウハウスとも通じる、建築的な技術や意匠に限定されない様々な文化的表象の中で、建築の教育を考えていたことが分かりましたが、白井晟一の学生時代の環境としても示唆に富むものでした。

 「建築家 白井晟一 精神と空間」
   場所  京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
   期日  2011年5月23日―8月11日 日曜休日休館
   時間  10:00−17:00

 記念シンポジウム「白井晟一・現代との対話」
   期日  7月2 日( 土)  14:00−17:10
   パネリスト    松山 巖 (作家 評論家)
           白井磨 (建築家 白井晟一研究所主宰)
             堀部安嗣     (建築家 京都造形大学大学院教授)
           米田 明 (建築家 京都工芸繊維大学大学院准教授)
        MC 松隈 洋 (京都工芸繊維大学美術工芸資料館教授)

 群馬と汐留の白井展で展示された、原爆堂、善照寺等5点の模型は松隈、米田両氏の指導で京都工芸繊維大学の若者たちが作り上げたもので、いわば里帰りの展示ということになります。
 他に、図面と写真、それに書と装丁本、スケッチも展示されることになりました。

    また、「書」は5月22日から6月7日までの間下記の画廊で特別展示されます。
    (水曜休廊)
    「正観堂」 京都市東山区新門前通花見小路西入一筋目上ル西之町211−3
     TEL 075−533−4110
 
20:32 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
「白井晟一 精神と空間」展、京都工芸繊維大学へ
 群馬県立近代美術館、パナソンニック汐留ミュージアムで開催されていた「白井晟一展」は、白井の母校である京都工芸繊維大学に巡回します。会期は5月23日から8月11日まで。

建築作品の図面、模型、写真の展示に重点が置かれるようですが、「書」「スケッチ」「装丁本」も加わるようです。白井展の実行委員でもあり、美術工芸資料館教授でもある松隈洋さんが担当し構成されます。

詳細はまだ不明なので、分かり次第、当ブログでもお伝えします。
17:39 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
白井晟一の建築あるいは関連書籍についての論考最新情報
「図書新聞」 2010年10月30日号 磯崎新:「啓蒙的近代をとび越え現代に蘇った思索」(「無窓」書評)

 「美術手帖』 2011年2月号 岡崎乾二郎:芸術の条件 1。白井晟一という問題群(前編)

「出版ダイジェスト」 2011年1月 中谷礼仁:「無窓」書評

「ホーム ポートレイト」 VOL3 (別冊 SUMAI) 和田京子:「記憶の家」

「朝日新聞」 2010年12月19日朝刊 森村泰昌:「白井晟一 精神と空間」書評

「陶説」 2011年2月号 白井磨:「白井晟一について」

「芸術新潮」 2011年2月号 「白井晟一 美のわすれがたみ」

「新建築」 2010年8月号 中川武 「君は原爆堂を見たか」

「d/sign」 Nr.18 (太田出版) 中谷礼仁 「神の子の家」

「白井晟一、建築を語る」対談と座談 中央公論新社

「朝日新聞」 2011年2月2日夕刊(東京) 「日の目見なかった『原爆堂計画』−建築家白井晟一ー精神と空間」展 暮沢剛巳

「長崎新聞」 2011年1月27日 「親和銀行本店」「懐霄館」を訪ねる 平古場冨美。田中英樹(撮影)。

「読書人」 2011年3月18日 「孤高の建築家」 五十嵐太郎

「美術手帖」 2011年3月号 岡崎乾二郎:芸術の条件 2.「白井晟一という問題群(後編)」

「コンフォルト」 2011年8月号 特別企画「濃密なる純粋」 対談・柿沼守利×松隈洋 「連綿と続く建築の歴史の中へ」 松隈洋

「幻の原爆堂」 2011.07.30. 京都新聞『凡語』

「白井晟一・重厚、内省的な作品 愉快な建築家」 2011.08.14. 読売新聞『異才列伝』 宇佐美伸
15:58 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
汐留ミュージアムの「白井晟一展」 2
 汐留ミュージアムでの「白井晟一展」は、「塔」「住」「共」「祈」「幻」「原爆堂」といった見出しで分節し展示されます。そのうちのいくつかの解説をご紹介します。
 
「住」:「住居は一生の間にたびたびつくれない。長くもない生涯を、風雨や地震に耐え、見るからにがっしりした家で暮らしたいとは誰しも思うことではないか。ロウコストは建築のエレメントだが、それも人間の生活や精神を引き上げるのを妨げるロウコストではこまるのだ。」(「試作小住宅」より)
  初期の木造住宅から「呉羽の舎」を経て「虚白庵」「雲伴居」に至るまで白井晟一の住宅作品は、かれの建築家としての歴史の全域に亘っており、ベートーヴェンのピアノソナタのように白井の建築的意想の通史を形成している。
 
 「幻」:「光音劇場」は唯一遺された白井の肉筆と思われる図面である。「雄勝町役場」の力強い造形を示すパースは、建物は建設されたが設計者の意想は幻に終わった、とはいえかれは執拗に横手厚生病院のファサードにその主要なデザインを実現する。しかしそれも解体され存在しない。「半僧房計画」はいわば「原爆堂」の和式ヴァージョンである。「三里塚農場計画」や「野田ウィークエンドロッジ計画」はれぞれの時代の状況の中でとらえることによってその実像が浮かび上がってくる。これら幻の建築と、一方では白井の設計した空間が歯止めなく解体され消失している。それらは図面による「写し」や再現の不可能なものが多い。今また親和銀行大波止支店の建築が消えようとしている。

 「祈」:「善照寺」は浅草にある寺院の本堂で、鉄筋コンクリートの伽藍の最初のものとしても、虚飾を徹底して退けた明晰な伽藍の造形としても画期的なものだった。「サンタ・キアラ館」は茨城キリスト教学園短期大学の講堂をかねたチャペルをもつ学舎である。「親和銀行大波止支店」はその名のとおり銀行建築だが、被爆の町への思いがモチーフになっている。バンキングホールは祈りの会堂と言ったほうが相応しい空間で、ファサードに水を湛えた池を設けているのもそのためである。
 聖なる空間と評されることもあった白井晟一の建築空間は、人間の内面的な問題と関わる意志をもった表象であることに特質があり、祈りの姿勢で貫かれている。
 
 「原爆堂」:丸木・赤松画伯の「原爆の図」の美術館の新聞記事をきっかけとして、施主も敷地も前提されていないところで取り組まれた計画案である。ヒロシマ・ナガサキに対して建築家として表象する責任と義務へのつよい意志から生まれており、そのことも含めて1955年の発表時には建築界では衝撃をもって受け止められた。その際の短いコメントから、被爆の悲劇を正面から受け止めようとする過程で、核を保持した文明の悲劇そのものと対峙する意想へと展開したプロジェクトだったことが判る。実現していない計画案であるにもかかわらず、白井の建築家としての姿勢の最も基本を示すものであり、核の時代へのメッセージとして、今日的なアクチュアリティーを増していると言えよう。
 
「塔」:宙空を刺すように屹立する塔は、垂直上昇の理念的な形象として語られることが多いが、白井晟一の塔は、都市の境域に根をおろした道祖神的な性格をつよく示している。それは都市的な調和や集合への参加を拒絶し、都市を相対化することに存在意味をもち、都市の道標として結界を形成する。つけられた名前「懐霄館」「ノアビル」からもその意図をさぐることができる。
 なお、親和銀行本店一期の建築は「原爆堂計画」の造形モチーフを共有し、垂直性は強調されていないが、「塔」の表象としての性格をつよくもっていると言えよう。

  汐留ミュージアムの展示では、個々の建築作品についてのキャプションを充実させることが意図されており、会場構成に参加した吉野さんが執筆中です。
13:40 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
汐留ミュージアムの「白井晟一展」

白井晟一展 「精神と空間」
会場:汐留ミュージアム(パナソニック電工) 港区東新橋1−5−1 パナソニック電工ビル4F
期日:2011.1.8.〜3.27(1月10日、3月21日を除き月曜休館。 午前10時〜午後6時)

協力:白井晟一研究所 群馬県立近代美術館
企画協力:(株)アートプランニングレイ 白井晟一展実行委員会
後援:社団法人 日本建築学会、社団法人 日本建築家協会、港区教育委員会

群馬県立近代美術館に引き続き、設計原図面、模型、建築写真、スケッチ、装丁本、「書」、及び美術品が展示されます。
以上に加えて白井晟一の建築作品及び解体の前年の「虚白庵」の春の庭のビデオが放映されます。また汐留ミュージアムのホームページで12月下旬から、白井晟一のエセーが朗読されるそうです。

建築見学ツアー:白井晟一の代表作を中心にツアーが定員20名で3月4日に行われます。詳細の案内はトラベルプランにお尋ねください。tel.03−3561−5050.

記念シンポジウム:「空隙としての白井晟一 20世紀における建築家白井晟一の位置づけ」     2月20日、13:30〜17:30 要予約。定員180名。パネラー:岡崎乾二郎(美術家、批評家、近畿大学国際人文科学研究所け教授)、沢良子(近代建築史、東京造形大学教授)、白井磨(建築家、白井晟一研究所代表)、白井秀和(福井大学大学院工学研究科教授)、田中純(表象文化論、東京大学大学院総合文化研究科教授)、中谷礼仁(歴史工学、建築史家、早稲田大学理工学術院創造理工学部准教授)五十音順 進行:中谷礼仁。

汐留ミュージアム「白井晟一展」担当学芸員大村理恵子によるギャラリートーク:1月29日(土)、2月25日(金)。
22:11 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
白井晟一展のカタログ
 群馬県立近代美術館、パナソニック電工汐留ミュージアム、京都工芸繊維大学での白井晟一展の共通公式カタログが青幻舎(株)で制作されました。各会場に置かれるだけでなく、一般の書店でも取り扱われるそうです。これまでの展覧会カタログの堅い形式を破って、読者への積極的な語りかけを大切にしようという主旨を持ち、大いなる意気込みで和田京子、畑中章宏(編集)、原拓郎(デザイン、レイアウト)さんたちの手で作り上げられました。以下にその目次をご紹介します。
     
   白井晟一エッセイ選  「縄文的なるもの」「豆腐」「めし」
   謝辞
   ごあいさつ   主催者                          
   白井晟一展開催にあたって    白井晟一展実行委員会
   
   フラッシュバックする白井晟一   磯崎 新

   建築 機  。隠坑械掘檻隠坑僑

   「原爆堂」を読む   白井磨

   白井晟一に捧ぐ(8人の現代美術作家の作品)
 
   白井晟一が見つめていたもの   松隈 洋

   建築 供 。隠坑僑掘檻隠坑牽

   書

   虚白庵の暗闇 白井晟一と日本の近代建築    布野修司

   装丁

   白井晟一の墓   谷内克聡

   年譜
   白井晟一作品リスト
   English Texts    
12:15 | 白井晟一展について | comments(1) | trackbacks(0)
群馬県立近代美術館「白井晟一 精神と空間」の展示内容


9月11日から始まる白井晟一展では、図面が100点余り、建築写真100点余り、原爆堂、善照寺等模型5点、及び装丁本、スケッチ等と「書」が30点余り展示されます。



「書」は白井晟一が裏打ちしたものと0印の付けられたものに限定し、巻物、書帖も何点か展示を予定しています。

全て虚白庵で白井晟一のアルカイーブとして保存されてきたものです。
破壊された虚白庵の空間を構成していた石像2点も特別展示されることになりました。

21:52 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
群馬県立美術館「白井晟一 精神と空間」展でのシンポジウム
下記のシンポジウム、講演が予定されています。

  2010年10月9日(土) 14:00−16:30 実行委員によるシンポジウム
                                 
      布野 修司  (滋賀大学教授)
      松山  巌  (作家)
      宇野  求  (理科大学教授)
      松隈  洋  (京都工芸繊維大学教授) 
      中谷 礼仁  (歴史工学家 早稲田大学)
                           順不同

   磯崎新氏の講演は中止になりました

展覧会詳細についてはホームページをご覧下さい。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/ikuma666/
23:25 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)
「白井晟一展」関連書籍
 「白井晟一展」に関連していくつかの書籍が発行ないし発行を予定されています。

◆東京造形大学  「白井晟一展」カタログ
    
   ごあいさつ (諏訪 敦彦) 
    「SIRAI,いま」が映しだす現在 (沢 良子)
   白井晟一の書の魅力 (小野寺啓治)
   白井晟一の装丁 (臼田 捷治)
   白井晟一「原爆堂」計画模型製作について (模型製作班) 
   青春と円熟の季節(抄録)(長谷川堯)
     装丁(長尾 信)

 東京造形大学での「白井晟一展」は7月30日に終わりましたが、
 群馬及び汐留の展覧会でも入手出来るそうです。


◆群馬県立近代美術館「白井晟一 精神と空間」展および
 パナソニック電工汐留ミュージアムでの「白井晟一展」の共通カタログは、
 「青幻舎」から刊行配本されます。
    
 執筆:磯崎新、布野修司、松隈洋、谷内克聡、白井磨


◆また、長いこと絶版だった白井晟一のエッセイ集「無窓」が、
 普及版という形で「晶文社」から今秋刊行が予定されています。
    
 解説は松山巌さんが執筆されています。


◆これらの書籍に先立ち、下記の雑誌にも特集・特別記事が組まれています。

 「住宅建築」 2010年1月号「特集 白井晟一を探して」
    
     協力 早稲田大学中谷礼仁建築史研究室、白井磨
     作品 虚白庵(撮影 山岸剛)試作小住宅(大橋富夫)呉羽の舎(村井修)
     白井晟一の三つの住宅作品  宇津木卓三
     座談 石山修武、鈴木了二、中川武、原広司、藤森照信
     白井晟一学習会  機|羸酩陝布野修司、伊東豊雄
                  供‥鎮罅―
                  掘‖静鎚羸
                  検\酖此‥弌中村敏男、松山 巖


 「新建築」 2008年10月号 特別記事
    
      白井晟一「原爆堂計画」再考 虚白庵にて
       インタビュー:「原爆堂と日本の戦後」について 中谷礼仁               
12:18 | 白井晟一展について | comments(0) | trackbacks(0)

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